【建築探訪】高志の国文学館/シーラカンスアンドアソシエイツ

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 富山駅の南側にある、モダンでシャープな空間、リッチでワイドな庭園で話題の高志の国文学館におじゃま。

 名前の通り文学をメインテーマにした場所ですが、映画、漫画なども充実しています。映画のロケ地にも使われることが多いようで、最近だと松本潤さん有村架純さん主演の映画「ナラタージュ」は高岡市、岡田准一さん主演の映画「追憶」は富山市と氷見市でロケしたそうです。
 富山県は堀田善衞氏、源氏鶏太氏、角川源義氏などの著名な作家の故郷であり、藤子不二雄A先生や藤子・F・不二雄先生も富山生まれとのことで、とある1室全部が藤子不二雄作品で埋め尽くされていて、見ごたえがありますよ。

 入場料が200円とめっちゃ安いのも嬉しい。 

建物

 敷地は広く緑と石(御影?)のみで施工されたかのような、シンプルで上品さが漂うデザイン。敷地に入った瞬間になんか別の観光地に来たかのよう。というのもこの建物は、旧県知事公館の改修によってできたものなので、元々立派なものだったのは頷けます。後から知りました。

The facade of KOSHINOKUNI Museum of Literature (高志の国文学館)

 サイトプラン(敷地図)を見ても大半が庭園だとわかります。庭は花の庭、石の庭、竹の庭、万葉の庭、松陰の庭、垣根の庭、水辺の庭、通り庭、草の庭、泉の庭と実は細かく名付けられた庭が連続してできています。「もう『泉の庭』とか、ただの泉やん!」とかそういう細かいとこをつつくツッコミはやめましょう。(笑) 木々から芝生の細かいところまですごく丁寧に管理されていると感じざるをえないほどに美しく維持されています。庭だけ見に来るのもアリ! なくらいに素晴らしい。

 建物の外周は淡いシャンパンゴールド色にアルマイト処理されたアルミ鋳物パネルで覆われています。この加工により経年劣化がかなり抑えられるそう。ボコボコと加工されていてパッと見だと普通の石壁のように見えます。外壁の建物をこのプロジェクトでは「蔵」と呼んでいたそうですが、まさに蔵のような外見。

 アプローチの「通り庭」も全部石。高そうな。これは贅沢です。そして正面から見る建物はシャープでかっこいい。また人から見える軒裏は木材のルーバーとなっていて、ガラスで隔ててありますが屋内外がつながっているかのようにデザインされています。もう和モダンチックなデザインにルーバーは標準装備みたいなもんでしょうかね。

The facade of KOSHINOKUNI Museum of Literature (高志の国文学館)

 無料のライブラリーコーナーには外向きにソファが備えられていて、きれい施工された庭園「万葉の庭」をじっくり眺めて心を落ち着かせることができるようになっています。ここの眺めはすばらしいです。方角的には西向きでから夕方に訪れればこういった美しい夕日との調和を堪能することができます。

Garden view from indoor of KOSHINOKUNI Museum of Literature (高志の国文学館)

アクセス

 富山には路面電車がある! 県庁前駅から徒歩4、5分ほど西にまっすぐ行けばあります。
 全部歩きだと15分でいけると思います。

 富山地鉄市内環状線
 富山駅 → 県庁前駅
 時間:3分
 運賃:200円

撮影許可

 屋内はロビーのみ可能。他はNGです。


ギャラリー

 すべての写真をFlickrで見る

  • Garden view from indoor of KOSHINOKUNI Museum of Literature (高志の国文学館)
  • Pilatis space of KOSHINOKUNI Museum of Literature (高志の国文学館)
  • Exterior from indoor of KOSHINOKUNI Museum of Literature (高志の国文学館)
  • The facade of KOSHINOKUNI Museum of Literature (高志の国文学館)
  • Full view of KOSHINOKUNI Museum of Literature (高志の国文学館)




建物概要

KOSHINOKUNI Museum of Literature (高志の国文学館).
Architect : Coelacanth and Associates (設計:シーラカンスアンドアソシエイツ).
Contractor : Nihonkaikenko Corporation (施工:日本海建興、三由建設、ミヅホJV).
Completed : 29 March 2012 (竣工:2012年3月29日).
Structured : Reinforced Concrete (構造:RC、一部 SRC).
Costs : $19.4 million (総工費:約19.4億円).
Use : Museum (用途:博物館).
Height : ft (高さ:m).
Floor : 2 (階数:地上2階).
Floor area : 33,045 sq.ft. (延床面積:3,070㎡).
Building area : 29,826 sq.ft. (建築面積:2,771.99㎡).
Site area : 148,111 sq.ft. (敷地面積:13,760㎡).
Location : 2-22 Funahashi Minamicho, Toyama City, Toyama, Japan (所在地:日本国富山県富山市舟橋南町2-22).


使用機材

Nikon D600
Tamron SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD
Tamron SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD

Adobe Photoshop
Adobe Photoshop Lightroom
   


参考サイト

高志の国文学館(公式)
新建築 2013年1月号 – 新建築Online
高志の国文学館 – 岡村製作所
高志の国文学館 年報 平成24年度 – 高志の国文学館
富山県のロケ地 – Li-vvon
芸術工学への誘いVol.19 高志の国文学館 – 芸術工学研究科建築都市デザイン領域 教授 伊藤恭行

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