【話題】Getty vs Googleが決着し、Google画像検索から「画像を表示」は消えたが
ちょっと遅くなりましたが、Gettyから来た先月のニュースです。「Getty ImagesとGoogleがパートナーシップ提携を発表」というタイトルの下、ニュースレターが届きました。
Google画像検索の仕様に変化
最近Google画像検索に変化があったのにお気づきでしょうか?
そうです。「画像を表示」ボタンが消えました。
今まではこんな感じで表示されていましたが、先月下旬頃からは[表示]しかできなくなっています。またはGoogle Mapsのように[保存]というお気に入り登録のボタンだけになりました。
このボタンを押すとJPG画像などの直接のURLにアクセスしてしまうため、大半の画像にアクセスできてしまうという、著作物を扱う企業にとってはかなり煩わしいボタンでした。ときには簡単に直接アクセスできないような処置を施している画像URLまでスルッと表示できてしまったりと、画像を販売や提供をしている身のひとりとしては これ大丈夫か? と思うことはありました。
だから、PIXTAなどはGoogle画像検索でヒットする画像にはウォーターマークが入るように対策するなどをせざるを得なかったり。
経緯
簡単に言うと、Getty Images社がGoogle社を訴えたことが事の発端です。2016年上旬ごろだったと思いますが(検索する限り、2016年4月の記事は見つけた。)、競争法違反として欧州委員会に提訴していました。
なんやかんや数ヶ月の協議の結果、平和的解決の道をとり、結果としてGoogle社は
- 著作権に関する注記をより目立たせる
- 「画像を表示」ボタンを削除する
という対応に合意した―というわけです。
このことを、Getty社は「Getty ImagesとGoogleがパートナーシップ提携」と発表しています。
Getty Images and Google Announce a New Partnership – Getty Images
グーグル社は何を得たのか
そんでもってGetty社のプライバシーポリシーなんかを見に行くと早速更新されています。Google社だけではなくシレッとAmazon社、Facebook社なども登場しています。
ここを読む限りでは、画像データは各社の統計情報の分析にとどまらず、マーケティング向上のためだったら割りと何でも使っちゃっていいような内容に見えます。
Gettyが保有する大切な画像データは、巨大企業のAI君たちの餌として正式に認められたと書いてあるように見えます。
Google社は正直画像の著作権なんかどうでもいいはずで、AI君がムシャムシャ食べる餌(画像データ)を無限枚数を確保さえできればいいだけでしょうから、Google社は合法的にそれを食べ続けることができる権利を得たことになりますから、これは大きな収穫ではないでしょうか。
戦略的なのか、いいようにやられるだけになったのかは考えようかもしれません。
そしてぼくらの画像はGoogle社などののAI君のお腹に入っていき、膨れ続けます。
おわりに
今回のスプラッシュにはちゃんと意味を置きました。右上の神々しい位置にGoogle社のロゴがあるのです。そこから伸びる七色の触手の先にはGetty Images社のロゴを配置しました。そのこころは、触手から養分を吸い取っています。
最後に。知人の写真家さんがよく言っていることです。
「使われたくない写真は、アップするな」
もうこれに限ります。