【建築探訪】国立民族学博物館/黒川紀章建築都市設計事務所

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 大阪は万博記念公園の中央にある国立民族学博物館:略してみんぱくが気になりおじゃま。この博物館は世界の文化人類学、民族学を専門としていて、広大な展示スペースを擁しています。

2008年7月現在:閉館中

 先月の震度6弱の地震により緊急閉館中でして、展示物が破損したりと被害を受けています。壊れたものは修復可能なレベルだったとのことで一安心ですね。9月に一部再開、10月に全館再開を目指して復旧作業をしているとのことなので待ちましょう!

建物

 大都市大阪にあって延床面積の割には4階建てという低層に抑えた設計。周りとの調和を優先したとのことです。延床面積が50,000㎡ともなるとそこそこでかいオフィスビルくらいの規模ですから1フロアがかなり広いことが伺えます。実際全部回りきれませんでした。
The facade of National Museum of Ethnology (国立民族学博物館).

 外壁は全面タイル貼りで渋めの色合いなので普通に写真を撮ると、懐かしい一枚みたいな雰囲気に撮れてしまいます。国立だけあってかなりきれいな状態を維持しています。
 見た目は要塞のようにほとんど窓がありませんが、殆どの部屋に中庭が見えるように作られています。各展示室が「ロ」の字型の間取りになっています。上空から見ると中庭だらけになっているのがわかりますね。


Photo from 施設の概要 – 国立民族学博物館(公式)

 もう1点。建物は1つに見えますがユニットに分かれています。そうです、黒川さんといえばメタボリズムで、竣工後にユニットの付け足しが容易に行える設計になっているということです。公式サイトの沿革を見るとわかりますが、
  1979年 第4展示場(1,272平方メートル)
  1981年 講堂(3,704平方メートル)
  1983年 第8展示場など(4,816平方メートル)
  1989年 特別展示場・書庫棟(5,292平方メートル)
  1993年 本館増築・共同研究棟(891平方メートル)
  1996年 第7展示棟(6,439平方メートル)
と何度も増築を繰り返し、巨大化して今に至ります。建物としての体をきっちり保ちながらここまでの回数の増築を繰り返してきた現存する建物はここが筆頭ではないかと思います。そういう意味でも見学の価値はすごく高いかなと思います。

 図書スペースはなにやら昔の人が描いた21世紀みたいな雰囲気のデザインがちらほら見られて新鮮でした。
Exterior of National Museum of Ethnology (国立民族学博物館).

 中庭もインカ帝国とかみたいで素敵なのです。私はこの写真を見て行ってみたいと思った、きっかけの眺めです。ちなみにシルバーのが3つボコッとしていますが、図書スペースのアレです。
Exterior of National Museum of Ethnology (国立民族学博物館).

 天井や階段室のディテールにもこだわりが見えて、かっこいい。木目のようにも見えますが、人類の歴史という年輪と掛けている?のかな?
Stairs of National Museum of Ethnology (国立民族学博物館).

Inside of National Museum of Ethnology (国立民族学博物館).

アクセス

 万博記念公園駅から徒歩5分ほどです。


ギャラリー

 すべての写真をFlickrで見る

  • Garden from inside of National Museum of Ethnology (国立民族学博物館).
  • Library space of National Museum of Ethnology (国立民族学博物館).
  • Exterior of National Museum of Ethnology (国立民族学博物館).
  • Stairs of National Museum of Ethnology (国立民族学博物館).
  • Indoor of National Museum of Ethnology (国立民族学博物館).
  • The facade of National Museum of Ethnology (国立民族学博物館).
  • Full view of National Museum of Ethnology (国立民族学博物館)


建物概要

National Museum of Ethnology (国立民族学博物館).
Architect : Kisho Kurokawa architect & associates (設計:黒川紀章建築都市設計事務所).
Contractor : Takenaka Corporation (施工:竹中工務店).
Completed : November 1977 (竣工:1977年11月).
Structured : Steel Reinforced Concrete (構造:鉄骨鉄筋コンクリート造).
Costs : $ million (総工費:約億円).
Use : Museum (用途:博物館).
Height : ft (高さ:m).
Floor : 4 (階数:地上4階, 地下1階).
Floor area : 566,698 sq.ft. (延床面積:52,648㎡).
Building area : 195,655 sq.ft. (建築面積:18,177㎡).
Site area : 439,393 sq.ft. (敷地面積:40,821㎡).
Location : 10-1 Senri-Banpakukoen, Suita City, Osaka, Japan (所在地:日本国大阪府吹田市千里万博公園10-1).


使用機材

Nikon D600
Tamron SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD
Tamron SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD

Adobe Photoshop
Adobe Photoshop Lightroom
   

参考サイト


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