【建築探訪】MIZKAN MUSEUM/NTTファシリティーズ

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 ちょっとアクセスが難しい立地ですが、和風のなかの和風、やっぱり気になって仕方がありません。しかも受賞歴も半端じゃない数です。予約制でしかもだいたい埋まっている人気施設となればやっぱり行くしかないでしょう。ということで愛知県半田市にあるミツカンミュージアムにおじゃま。

 ミツカン社というと大半の人は『酢』のイメージでしょうが、そのとおりです。創業は200年以上も前で、江戸時代より愛知県知多半島は半田を拠点に事業を展開。
 本社地区の機能更新の一環としてミュージアムが建設されました。見た目は伝統的に仕上げていますが、実は設備はハイテクに頼らない自然の力を利用したものになっています。サスティナブルの観点でも注目度は非常に高い建物なのです。
 黒塀の建屋が運河沿いに連なる景勝地であり、市の景観重点地区に指定されています。

 ちなみに来客層は小さい子供連れのファミリー層が90%くらいでした。珍しいのは入場料で、なんと300円。市営美術館並の価格設定。
 ミュージアムの中に当時の船を再現したスペースがあって、その船に乗ってミツカン社の歴史を見る映像作品があるのですがクオリティが最高です、超かっこいい。おすすめ。

建物

一見どれがミュージアムなのか全くわかりません。黒い下見板張りの建物群が運河沿いに連なるずっと変わらない風景に見とれてしまいます。雰囲気もノスタルジックでとてもいい。歴史的建造物がたくさんあるのでミュージアムの見学以外にもいろいろ散策できます。どの建物もきれいにメンテナンスされているので、汚さがまったくありません。

また建物内の空調などのが自然の力をフルに利用した設備となっています。ハイテクに頼らない、既存設備を中心とした活用には驚き。

例えば煙突。風景維持のために残しているのかなと思っていましたが、太陽熱で暖められた煙突が風を誘引して、川の付近の涼しい風を取り込むようになっています(ソーラーチムニー)。

知多半島は日照時間が長くそれを活かした太陽熱温水や、過去に酢づくりで使用されていた井戸水を利用しているとのこと。地域、土地の資源、資産を最大力活かしている素晴らしい事例です。
設備の話になってしまった。屋内空調の詳しい内容は『デシカント空調』でぐぐってみてください。

他にも黒塀を活かした設備もあります。外観をよく見ると一部がガラス窓になっているのですが、塀とガラスの二重にしておいてその空間に熱を溜めることも出来るそうです。冬になれば暖められた空気を屋内に送りますし、夏になれば外に追い出します。

内部も全館撮影出来るので撮らせてもらいました。『大地の蔵』は江戸時代当時の酢づくりの風景と工程が再現展示されているスペースで、旧醸造庫の小屋組みを再構築したとのこと。

鬼瓦も焼き直ししているそうです。

見学、撮影許可

撮影:全館OK。
見学:入場料を払う。

ギャラリー

  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Full view of Mizkan Group Head Office renewal (ミツカングループ本社ビル リニューアル)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
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  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
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  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Mizkan Museum (ミツカンミュージアム)
  • Full view of Mizkan Group Head Office renewal (ミツカングループ本社ビル リニューアル).

建物概要

Mizkan Museum (ミツカンミュージアム).
Architect : NTT Facilities (設計:NTTファシリティーズ).
Contractor : Takenaka Corporation (施工:竹中工務店).
Completed : September 2015 (竣工:2015年9月).
Structured : Reinforced Concrete (構造:RC造、S造).
Costs* : million USD (総工費:約億円). *USD/JPY=100.00
Use : Museum (用途:博物館).
Height : ft (高さ:m).
Floor : 2 (階数:地上2階).
Owner : Mizkan Holdings (発注者:株式会社ミツカンホールディングス).
Floor area : 55,681 sq.ft. (延床面積:5,173㎡).
Building area : 35,398 sq.ft. (建築面積:3,288.6㎡).
Site area : 68,006 sq.ft. (敷地面積:6,318㎡).
Location : 2-6 Nakamura Town, Handa City, Aichi, Japan (所在地:日本国愛知県半田市中村町2-6).

Awards (受賞歴) :
第58回BCS賞
第26回AACA優秀賞
平成29年度日事連建築賞奨励賞
第5回鈴木禎二賞優秀賞
第48回中部建築賞
第24回愛知まちなみ建築大賞
JIA優秀建築選2016
建築学会作品選集2017
2017年度建築学会東海賞
第15回環境・設備デザイン賞
第18回JIA環境建築賞入選
第50回日本サインデザイン大賞/経済産業大臣賞
2016年度グッドデザイン賞
日本空間デザイン賞2016銀賞
JCDデザインアワード2016 Best100
平成29年度都市景観大賞(国土交通大臣賞)※半田運河周辺地区
ジャパン・レジリエンス・アワード2018優秀賞

施設情報 (Admission)

営業時間:9:30 – 17:00 (Opening hours)
休館日:木曜日(木曜日が祝日の場合は開館、翌金曜日が休館)、年末年始 (Closing day)
入場料:300円 (Admission fee)

アクセス (Access)

名古屋駅からのアクセスです。
【電車】JRだと2本使います。名鉄だと特急で1本みたいです。
区間:JR東海道本線 名古屋駅-武豊駅 |乗り換え| JR武豊線 武豊駅-半田駅
運賃:670円
時間:約45分。
備考:徒歩5分。

詳細は公式サイトをご参照。

使用機材

ボディ:SONY α7Ⅱ
レンズ:TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD
レンズ:TAMRON SP 70-300mm F/4-5.6 Di VC USD
マウントアダプター:RAYQUAL NF-SαE

現像:Adobe Photoshop Lightroom
   

参考サイト

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